健康経営の推進に向けて
株式会社 KOKUSAI ELECTRICは、コーポレートスローガンを実現するために、経営方針のもと健康経営の推進方針を以下に宣言いたします。
健康経営宣言
KOKUSAI ELECTRICグループは、コーポレートスローガンである『技術と対話で未来をつくる』を実現するために、全ての事業活動において「安全と健康を守ることは全てに優先する」との不変の基本理念のもと、従業員一人ひとりが心身両面で不安を感じることがないよう、包容力の高い職場づくりを推進していきます。また、従業員とご家族の健康増進に積極的に取り組んでいくことを宣言します。
2025年7月1日
代表取締役 社長執行役員
塚田 和徳
健康経営推進体制
当社では、健康経営を重要な経営課題のひとつと位置づけ、経営トップによる健康経営宣言のもと、人事総務担当執行役員を責任者として、「フィジカルヘルス」、「メンタルヘルス」、「働きがいのある職場環境づくり」などの課題解決に向けた取り組みをはじめとする健康経営を推進しています。
健康経営推進委員会では、健康施策に関する方針や取り組みについて定期的に協議し、取締役会や経営会議、サステナビリティ委員会に報告しています。
また、健康保険組合や安全衛生委員会とも連携し、従業員の健康増進施策の状況(PDCA)を確認しながら、取り組みを推進しています。

健康経営戦略マップ

施策の取り組み
1. 目標指標
健康経営を推進するうえで健康関連の最終的な目標指標を下記に設定しています。
フィジカルヘルス、メンタルヘルス(心と体の健康)に関しては、コロナ禍より休業率が急増しており、早期発見・早期対応や健康維持・増進をめざし、各種取り組みにて強化を図っていきます。また、ワーク・エンゲイジメントのさらなる向上に向け、働きがい・満足度、貢献意識等のES向上に取り組んでいきます。
業務パフォーマンス | 実績値 | 目標値 KGI | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2027年度 | |
アブセンティーイズム(休業率)※1 | 0.41% | 0.29% | 0.81% | 0.96% | 0.85% | - | - |
内訳:メンタル 休業率 | 0.32% | 0.37% | 0.64% | 0.71% | 0.72% | 0.60% | 0.30% |
内訳:フィジカル 休業率 | 0.09% | 0.02% | 0.17% | 0.25% | 0.13% | 0.13%未満 | 0.10% |
測定人数/回答率 | ※1 参照 | - | - | - | |||
プレゼンティーイズム※2 | - | - | 80% | 80% | 80% | 80%以上 | 80%以上 |
測定人数/回答率 | - | - | 1086人/97.1% | 1121人/98.2% | 1127人/100% | - | - |
ワークエンゲイジメント※3 | - | - | 2.4点 | 2.4点 | 2.4点 | 2.5点 | 2.7点 |
測定人数/回答率 | - | - | 1082人/97.2% | 1115人/97.5% | 1150人/97.5% | - | - |
- ※1
-
休業率 = 疾病休業日数/所定労働日数×100 (休業実日数が連続7日以上) 毎月休業率を算出した平均値 2023年度末時点での従業員数は1164人
- ※2
-
独自サーベイで把握:普段の体調が良い時に達成できる仕事のパフォーマンスを100%とした場合、過去4週間の仕事のパフォーマンスを10%~100%で選択、回答が最も多かった数値を記載
- ※3
-
新職業性ストレス簡易調査票から得られるワークエンゲージメントの尺度で把握 最低1点から最大4点で高得点であるほどよい
2. フィジカルヘルス対策
生活習慣病リスク者への予防対策の強化
目標
従業員の健康を維持・増進するため、課題である生活習慣病リスク者の予防・低減に向け、「肥満率(40歳以上)」と「喫煙率」を重点目標として位置付け、目標達成に向け取り組んでいます。
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 目標値 |
---|---|---|---|---|---|---|
肥満率(BMI25以上) 40歳以上 |
37.3% |
36.4% |
36.0% |
36.1% |
36.1% |
35.0% |
喫煙率 |
20.6% |
22.3% |
21.8% |
19.8% |
18.0% |
18%未満 |
健康管理システムの活用
健康診断の予約や受診状況を管理職と共有し、受診フォローの徹底で受診率100%、再検査の受診勧奨や保健指導などにおいても分析機能を活用しながら予防対策の強化を実施しています。
健康教育
生活習慣病予防対策として若い世代や在宅勤務者向けの動画教育や、新入社員やシニア社員・特定保健指導対象者や生活習慣病予備軍の方を対象に個別の保健指導を実施し、予防対策の強化を図っております。また、高リスク者においては産業医面談と保健指導を実施し、定期的に継続フォローしています。
イベント
毎年定期的に「ベジタブルチェック」(体の野菜摂取レベルの確認と管理栄養士による食事指導)と血管年齢や脳活性化チェックを実施しております。また、事業所内の社員食堂ではヘルシーメニューの提供や様々なイベントを開催しており、今後も従業員のニーズに合わせたイベントを開催し、食に対してのリテラシー向上に向け、取り組んでいます。

産業医による健康講和
毎月10分程度の健康に関する産業医講和の動画を作成・配信しております。テーマは季節に合ったの内容や社員からの要望などを取り上げ実施し、ヘルスリテラシーの向上を図っております。
喫煙率の低下に向けた取り組み強化
禁煙に向けた対策として、産業医による禁煙教育や禁煙サポートの実施、食事指導など実施しています。また2024年度より就業時間内で決められた時間帯のみ喫煙可とする施策を実施し、さらなる喫煙率の低減に向け取り組んでいます。
感染症予防対策
コロナ禍以降、感染症に対する関心が高まり、職場内で感染症を持ち込まない、クラスターを発生させないよう、手洗い・うがいの私傷は継続実施しております。また、事業所内で実施するインフルエンザ集団予防接種では、事業所に従事するすべての方に接種機会を設けており、希望者全員接種できるよう実施しております。
3. メンタルヘルス対策
目標
コロナ禍からメンタル休業率が上昇が続いており、早期発見・早期対応に向けた取り組みの強化を実施しています。
また、総合健康リスクに関してもさらなる向上に向け、取り組みを継続実施していきます。
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 目標値 |
---|---|---|---|---|---|---|
メンタル 休業率※ |
0.32% |
0.37% |
0.64% |
0.71% |
0.72% |
0.50% |
総合健康リスク |
106 |
107 |
100 |
97 |
97 |
97未満 |
- ※
-
休業率 = 疾病休業日数/所定労働日数×100 (休業実日数が連続7日以上)
メンタル不調者の早期発見と早期対応に向けた取り組みを強化
ストレスチェック集団分析結果の活用
職場環境改善対策として、ストレスチェック集団分析結果を各職場のライン部長へフィードバックしております。高ストレス職場に対しては、産業医による職場の状況ヒアリングと「アクションプラン」を立案・実行にて、職場環境改善に取り組んでいます。
メンタル不調者との産業医面談
メンタル不調者に対し、産業医(精神科専門医)・保健師・看護師が連携し、産業医面談を定期的に実施しています。また療養ハンドブックを活用し、休職者が不安なく療養・復職ができるよう支援しています。
相談窓口の強化
いつでも気軽に相談できる窓口として、社内相談窓口を設置し、保健師・看護師が随時対応・フォローを行っています。また女性の産業保健スタッフ(産業医・保健師・看護師)による健康相談窓口も設置し、不安なく働けるようサポートしています。
従業員とその家族へは、社外相談窓口を活用し、安心して働くことができるよう、相談体制の充実を図っています。
ラインケアの強化に向けた取り組みの実施
ラインケア強化として産業医(精神科専門医)によるラインケア研修を毎年実施しております。2024年度は課長相当職対象に実施し、事前アンケート調査にて困っていることや疑問に思っていることを確認しながら求められる役割を明確にし、セルフケアの重要性や心理的安全性を中心に研修を実施いたしました。引き続き実践的なマネジメント強化につながるよう取り組んでいきます。
4. 働きやすい環境づくり、働き方改革
ワークライフバランスの推進
職場活性化
国内外のグループ会社を含めた従業員満足度調査の定期的な実施を通じてカテゴリ別の満足度を測定し、その結果をもとに各部署において改善のためのアクションプランを立案・実行し、また全社を通じて社員同士の対話の場づくりなど職場活性化のための取り組みを行っています。
病気療養と仕事の両立支援
業務遂行にあたっての不安がある方や、私傷病休職となった方に対しての治療と仕事の両立支援制度として、健康相談窓口の設置、通院・入院等のために使用できる積立年次有給休暇制度、長期休職補償制度や産業医との連携(定期的な面談)などを実施しています。
従業員の復職にあたっては産業医面談を行い、復職後も定期的な状況確認や支援を継続しています。
長期休職補償制度については、私傷病による休職期間は最大36ヶ月間と定めており、健康保険組合からの傷病手当金(給付期間:18ヶ月)に加え、会社から給付する療養見舞金の付加給付は最長36ヶ月の給付期間を設けています。
健康経営の取り組みに関する指標
項目 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
定期健康診断受診率 | 99.9% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
定期健康診断の有所見率 | 29.3% | 31.5% | 30.8% | 32.3% | 32.6% |
定期健康診断後の精密検査受診率 | 54.5% | 61.7% | 58.4% | 58.0% | 62.0% |
ハイリスク者との産業医面談実施率※1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
肥満率(BMI25以上) 40歳以上 | 37.3% | 36.4% | 36.0% | 36.1% | 36.1% |
肥満率(BMI25以上) 39歳以下 | 21.7% | 20.5% | 25.2% | 21.6% | 20.2% |
喫煙率 | 20.6% | 22.3% | 20.9% | 19.8% | 18.0% |
運動習慣者比率 | 19.3% | 21.0% | 21.6% | 21.7% | 23.8% |
睡眠で休養がとれている人の割合 | 44.6% | 44.4% | 45.1% | 43.3% | 53.9% |
ストレスチェック受検率 | 91.4% | 92.5% | 97.2% | 97.5% | 97.5% |
ストレスチェック 高ストレス者率 | 13.7% | 14.8% | 15.6% | 14.7% | 15.8% |
ストレスチェック 総合健康リスク | 106 | 107 | 100 | 97 | 98.0% |
平均勤続年数 | 20.95年 | 20.76年 | 20.22年 | 19年 | 18.74年 |
時間外労働時間(H/月) | 25 | 26.4 | 23.6 | 20 | 14.7 |
年休取得日数(日/年) | 15.9 | 15.7 | 19 | 17.7 | 17.6 |
ES調査回答率 | - | 89.9% | 94.6% | 96.1% | 92.50% |
- ※1
-
人間ドック学会の基準でD判定の者のうち、産業医が面談を必要とした者産業医が面談を必要としたもの
意識変容・行動変容に関する指標(ヘルスリテラシー向上)
2024年度 主な施策 | 参加状況 | 対象者 | 理解度※4 | 満足度※5 |
---|---|---|---|---|
健康アプリ利用率 | 17.3% | 全社員 | - | - |
ベジタブルチェック(3回/年) | 96人・59人・96人 | 希望者 | - | - |
脳活性化チェック(1回/年) | 45人 | 希望者 | - | - |
血管年齢チェック(1回/年) | 59人 | 希望者 | - | - |
セルフケア研修 | 100.0% | 全社員 | 99.1% | 78.1% |
ラインケア研修 | 99.3% | 管理職(課長相当職) | 100.0% | 90.4% |
インフルエンザ集団予防接種※1 | 654人 | 希望者 | - | - |
栄養セミナー(肥満予防)※2 | 76.8% | 対象者 | 94.5% | 91.9% |
栄養セミナー(在宅勤務中の食事のとり方)※3 | 83.4% | 対象者 | 99.3% | 92.6% |
女性の健康課題に関する教育 | 100.0% | 管理職対象 | 99.6% | 100.0%※6 |
女性の健康課題に関する教育 | 100.0% | 女性対象 | 100.0% | 76.3%※7 |
- ※1
-
事業所で実施する集団予防接種の希望接種者
- ※2
-
40歳未満の方
- ※3
-
在宅勤務者
- ※4
-
理解度:「理解できた」「やや理解できた」「やや理解できなかった」「理解できなかった」のうち、「理解できた」「やや理解できた」に回答された方
- ※5
-
満足度:「必要性は感じない」「必要性は理解したが、行動には移せない」「近いうちに行動に移したい」「明日から実践する」「すでに実践している」のうち「近いうちに行動に移したい」「明日から実践する」「すでに実践している」に回答された方
- ※6
-
満足度:「役に立つと思う」「やや役に立つと思う」「役に立たない」「全く役に立たない」のうちに「役に立つと思う」「やや役に立つと思う」回答された方
- ※7
-
がん検診受診率(乳がん・子宮がん検診いずれか受診)
健康経営の個別施策に対する投資額
内訳 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|
健康管理システム費用 | 約2,900万円 | 約3,700万円 |
ストレスチェック関連費用 | 健康アプリ費用 | 教育関係費用 | 社外EAP委託費用 | その他 健康関連費用 |