2025年11月14日
株式会社KOKUSAI ELECTRIC(代表取締役 社長執行役員:塚田 和徳、本社:東京都千代田区)は、11月4日(火)から11月7日(金)に韓国・大邱で開催された半導体パッケージ技術に関する国際会議「The 23rd International Symposiumon Microelectronics and Packaging」において、半導体デバイス先端パッケージの生産性・信頼性を向上させる技術を株式会社レゾナック(以下、「レゾナック」)と共同で発表しましたので、お知らせいたします。
共同発表の概要
このたびのレゾナックとの共同発表は、複雑な材料構成からなる半導体デバイスの先端パッケージ内部表面をALD※1による成膜処理と成膜処理後に連続的に行う表面処理によって均一化し、デバイス表面の濡れ性※2を定量的に制御することで、アンダーフィル材料※3の流動速度の調整が可能となることを実証するものです。ALDによる成膜処理によって多様な表面状態を均一化し、表面処理によって濡れ性を定量的に制御することで、アンダーフィル材料の流動特性の向上やボイド※4の抑制、充填時間の短縮など生産性を向上させます。また、親水性処理によるアンダーフィル材料との接着性向上を通じて信頼性も高められることを確認できました。このアプローチは、大型チップや微細ピッチ、異種集積構造においてもアンダーフィル工程の充填時間短縮とパッケージングの信頼性・歩留まり向上に貢献することが期待されます。
発表情報
- 学会名
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The 23rd International Symposium on Microelectronics and Packaging(ISMP 2025)
- 論文タイトル
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Enhancing Capillary Underfill Flow Control for 3D Heterogenous Integration with ALD-based Surface Treatments
- 発表者
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Zihao Li1, Tomoaki Shibata2, Michitoshi Arata2, Takayuki Waseda1, Masako Kobayashi1, Hiroki Kubota1, Minho Oh1, Shuntaro Machida1, Yoshitomo Hashimoto1, and Kazuhiro Yuasa1
- 1
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株式会社KOKUSAI ELECTRIC
- 2
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株式会社レゾナック
今後も当社グループは、コーポレートスローガン「技術と対話で未来をつくる(Technology & Tai-wa for Tomorrow)」のもと、事業とESGの取り組み(環境・社会課題の解決、ガバナンスの強化)の両側面から経済価値および環境・社会価値を追求することで、SDGsの達成に寄与するとともに、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展の両立をめざします。
- ※1
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当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。
- ※2
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ダイとパッケージを接合させるために用いる液体状の接合材料の広がり度合のこと。
- ※3
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エポキシ樹脂を主剤とした液状硬化性樹脂のこと。
- ※4
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半導体製造工程で発生する材料内部の空洞や気泡のこと。